麒麟川島「ボヘミアンラプソディー」の分析

今日は麒麟川島さんのすべらない話「ボヘミアンラプソディー」を分析します。

【話の内容】

2019年に大ヒットした、映画「ボヘミアンラプソディー」。僕はすっごく好きで、もともとQueenも好きやったんですよ。映画おもしろかったのでDVDとかブルーレイが出たら絶対買おうと思ってたくらい。映画も4回映画館に見にいったんですよ。夏にブルーレイが出るってなって。久々に渋谷のタワーレコードに行ったんです。

ほんなら、結構一階は広いんですけど、、、。女子高生でぎゅうぎゅうだったんです。300人くらいいて。
なんだろなーと思てたら、なんか日本人と韓国人の8人組アイドルユニットのデビューの日やったみたいで。
シングルの発売日やったんですよ。

きれいなお姉ちゃんのパネルがパンパンパンって並んでて、女子高生が一緒に写真とるみたいな。すっごい盛り上がってて、ぎゅうぎゅうになってたんですよ。

でも、オレはボヘミアンやし。と思いながらすり抜けていって。んでボヘミアン売ってて買いたいです、と店員さんに言ったら。

お客さんこれ、先行販売の特典がついてます。フレディーマーキュリーのポストカードです。非売品ですと。
めっちゃうれしいなと思ってたら、なんか引換券をくれた。これをカウンターにもっていったらチェンジできますんで、って言われて。あーそうなんですか。それはどこですか?って聞いたら。結局一階なんすよ。んで、戻って。ポストカードもらえるんだと思って行ったら、結局まだぎゅうぎゅうで。そこが混んでたんすよ。

そのアイドルのCDを買うと誰だかわからないけどポストカードもらえますと。そこでめっちゃ並んでた。時間もかかるしどうしようかなと思ったけど、非売品だしなと思って並んだ。女子高生の中におじさん。残り20人になったくらいで、なんか前の方でワーワーなってる。そのファンの子たちが、誰が出たかをめっちゃ見てる。え、誰がでたんだろう。あー、あの人出てる。いいなあ。誰が出るんだろう。うわ、あの人出たんだみたいな。

ヤバいと。オレ違うと。フレディやからと。いや、めっちゃ見られるんちゃうんと思いながら自分の番きて。

案の定8人くらいが見てきた。引換券わたしたら、むこうの人もずっとアイドル、アイドルと思ってたらいきなりボヘミアンきたから。

ハッ、、、。少々お待ちください。って言って奥行ったんすよ。女子高生からしたら、なんか、すごいのでるちゃうんか?レアなやつ出よったでってなって。奥いって、とんでもないレアでるぞってなって、出てきたら「タンクトップ髭おじさん」じゃないですか?それめっちゃ恥ずくてすぐ服の中入れたんすよ。女子高生も、え、なにあれ。ひげ?ひげはえてたよね?グラサンしてたよね?ってなって。めっちゃ恥ずい思いしたって話です。

【考察】

①導入部分
話の導入なので、これからする話に直結する前置きをする部分。この話の概要〜オチは「Queenのブルーレイを買いに行ったら場違いで恥ずかしかった」というものだ。オチを面白くするためにギャップがある方が面白くなる。そのためどのくらいQueenが好きで自分がどのくらいワクワクして買いに行ったかが前情報としてあると、会場が混んでても並ぼうとする動機になる(混んでたから逃げるという選択肢を断つことで面白さが増す)。どのくらいボヘミアンラプソディが好きなのかというふわっとした疑問を、「4回映画館に見に行くくらい」と尺度をはっきり示して本当に好きなのがわかるので聞いている方が腑に落ちる。ストーリー全体で、自分をより追い込んだ状態にするとハラハラする状態になるので面白くなっている。忘れがちだが、一番伝えたい「場違いで恥ずかしかった」につながるようにストーリーを構成することが大事。川島さんは、ストーリー全体が見えているので必要な情報をまとめて短く導入にすることで、聞きやすくハテナマークを浮かばせないように作られている。

<学び>
自分はいらない導入や中間でいらない情報を入れてしまうことで頭でっかちになり、本当に伝えたい部分が弱くなってしまうことがあるので、川島さんのように簡略で後半につながる導入にしたい。

<法則>
・導入はオチに必要な情報を取捨選択して、短く簡単に
・自分の退路を断つことで臨場感がでる
・「どのくらい」という尺度を数字で示すと、聞いている側が腑に落ちた状態で話を聞ける

②中間部分(ほんなら〜)
・一階は広いんですけど
ジェスチャーも添えてわかりやすくしている。本来なら広いんですけど、というニュアンスが含まれている。女子高生でごった返している状態とのギャップを生み出すために必要な言葉。

・ぎゅうぎゅう
人がたくさんいる状態をぎゅうぎゅうで表現すると、人の体と頭が狭い空間にひしめきあっている感じがする。このワードチョイス一発でどんな空間に川島さんがいるかが見えてくる。人の呼吸まで聞こえてきそうでクリティカルなワード選びですごい。

・あえて”TWICE”と言わずに『8人組アイドルユニット』と表現
このグループが誰であるかはどうでもいいから。むしろボカしておくことでそんなに重要ではないということがわかる。さらに、固有名詞で言わないことで知らない人でも話に入っていいんだよ?という優しさが見える。アイドルのCDを求めにきた人がいっぱいいることが理解できればいいので、無駄な情報を省くという意味でクリティカルな技術だなと思った。

・でも、オレはボヘミアンやし
女子高生がいっぱいいて会場が盛り上がっている表現をした後に間をあけて、「でも、オレはボヘミアンやし」とトーンを下げていうことで、会場との空気感の違いがわかる。このギャップだけでも笑ってしまうが川島さんの声で余計におもしろい。間も絶妙。「でも、」でちょっとためることで川島さんの感情が流れていかない。これは大きな気づきだ。川島さんは、聞いている人に現場の空気感と自分の感情を伝えるのが上手いのだと思った。

・すり抜けていく
人がたくさんいて息する空間も内容な状況がわかりやすい表現。本当に通るのが大変だったんだろうなとわかる。姿勢もかがんで、自分が場違いに感じているのもわかる。

・結局一階なんすよ
ブルーレイを買ったところの話はそこまで重要ではなく、引換券を一階にもっていくというところが分かればいい。ブルーレイのところはさらっとしたスピードで伝えきっている。スピードが上がったところで、「結局」で間をあけてトーンを上げて、ここ大事です、という話し方をしている。

・ファンの子達がだれが出たかめっちゃ見てる。〜女子高生の会話
女子高生の中、ポツンと1人のおじさんが心細い感じがでる。女子高生の盛り上がりを会話で表現しておくことで、ここから先の自分をもっと追い込んでいく。場違いであることが臨場感として聴衆に伝わる。ここでどれだけ盛り上げられるかでオチのおもしろさが変わる。

・ヤバいと
ここに力を込めていた。女子高生の盛り上がりが伝わっているから、間があいて川島さんの声と力強いトーンが押し出されることで今まで積み重なった布石とジャブとのギャップで一気におもろくなる。聴衆も同じ感情だからこそすごく面白く感じる。

・案の定8人くらいが見てきた
ここで場をもう一回整えている。8人が自分を見ている、という表現がないとオチで女子高生がフレディーを見て「?」となる情景が少し浮かびにくい。ジェスチャーも含めて状態を整えることでオチが面白くなる。

・店員の状態〜女子高生の会話
急にフレディがきた時の店員さんの戸惑いを表現する間が絶妙。「なんかすごいレアでよるぞ?」というちょっとした訛りがまたおもしろい。さらに、女子高生の会話を前のめりになって話すことで、後ろにいた8人が待ちきれずに川島さんの体ギリギリまでせまっている感じが出ている。店員がいなくなった後に川島さんが女子高生の視線を感じて気まずかったんだろうな、ということがわかっておもしろい。

・女子高生の会話〜タンクトップ髭おじさん
女子高生の会話でテンポを早めて話すことで女子高生のワクワク感とこれから起こることのギャップが生まれる。タンクトップ髭おじさんというワードが川島さんらしくておもしろい。フレディーマーキュリーというのは簡単だが、自分で命名し直すことでこちらが予想してなかった話の草の茂みからポッと出てきたタンクトップの髭のおじさんの姿を思い返すとそれだけでめっちゃおもしろい。女子高生の会話のスピードから、フレディーをきゅっとスピードを止めていうことで耳が集中して聴くので無茶苦茶おもしろくなる。

・恥ずかしくてすぐしまった〜オチ
さっきまでテンション高かった女子高生が「ん?なにあれ?」と眉ひそめてるギャップをトーンと表情で伝えているのがギャップあっておもしろい。もうここまでウケてたら女子高生の会話を付け足すだけどんどん笑いになる。すっごい恥ずかしい思いをした、という言葉だけでは面白くない言葉が、中身がここまで解像度が高くて感情のアップダウンとスピード感のギャップがあるとここまでおもしろくなるんだと感動した。

<学び>
間をしっかり作ることで話している人の感情が流れていかない。聞いている人は、話している人がどう感じたかを聞いているわけで感情を聞いている。だから、間をしっかり作って感情を聞かせることで生きた話になる。オチ手前で状況を簡単に整理するだけでおもしろさが全然変わる。固有名詞の言い換えで遊ぶことで個性も出るし、スピード感のギャップを出すと固有名詞も映える。

<法則>
・オチ前で、オチに繋がる現在の状況を整える
・オチ前はスピード感と熱量で、オチとのギャップを作る
・固有名詞は自分の言葉で言い換えるとおもしろい

【まとめ】
ジャブや布石をしっかり細かく整えておく、つまり解像度をしっかり上げておくとオチの爆発力が出やすいのだなと感心してしまう話でした。川島さんの話は、独特の声と表現がおもしろいので、また分析したいなと思いました。

描いたヤツ
ガッチ

ガッチです!美容皮膚科医と芸人やってます!
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