麒麟川島「旅番組」の分析

【話の内容】
3ヶ月くらい前に久しぶりに旅番組に行きまして、2年間こういう状況なんでプライベートでも泊まって遊びにいくなんてこともしてませんし、気心知れた後輩2人と山形の方に行きますみたいな。1泊でおいしいもん食べるみたいな。プライベートでもやってなかったからすごい楽しみにして行かせてもらったんですけど。

昼間は絶景をちょっと見たり、乗馬をさせてもらったり、夜になったら100年目くらいな旅館に老舗の旅館に連れて行ってもらったり。絶景露天風呂みたいなところで。3人で、わあええなこんなん久しぶりやなみたいな感じで。最高やなこれみたいな。

やっぱメインは旅番組なんで夜のごはんなんですよ。夜のごはんも最初からお造りとかがでてきたり。ちょっとええもんが並んでお酒なんかもありがたくいただきながら。楽しいね、またこんなんできる日が帰ってきたらえええんみたいなこと言って。

その旅館のメインディッシュがすき焼きなんです。もう山形ですから、米沢牛。最高級の米沢牛のすき焼き。1人一個これくらいのお鍋で固形燃料があって。ぐつぐつ煮立ったら開けていただいて、みたいな。開けて、僕見たことなかったんですけど。ほんまに光り輝くようなお肉。自分の顔がちょっと映ってるくらい。すっごい綺麗なお肉やったんですよ。こんなん見たことないですと。しかもすき焼きやから。僕京都の人間なんで砂糖とか醤油で味付けして、割り下でぐつぐつ煮込んでるやつかと思ったら。ほんと透明ですっごい綺麗で、料理長みたいな人が一回だけ下のお野菜とくるっと混ぜて、お召し上がりくださいみたいな。え?本場米沢ってこんな感じなんや。肉の味だけで勝負するんや、と思って。混ぜて食べたらホントに肉の味だけ。脂身の甘い感じがして、こんなん食べたことがないなと。ホンマにうまい肉って、出汁とかすき焼きの割り下とか使わへんねんな。それ食べて、うわ、うまいな。うまいっすねみたいなことで盛り上がって、またハイボールとかいただいて。今後どうする?5年後こういうところまた来れるようにまた頑張ろうよ、みたいな感じで1時間くらい宴会3人でして。はいOKってなって。よかったな、最高やったなっつったら。料理長の人がふわってきて「あの、すいません」と。すき焼きの出汁、全部入れ忘れてましたと。全部?何にも入れてなかったんですって。まったく出汁も何も入ってないって状態で。ただの肉とお野菜、僕は持ち上げて光ってるから。何も言い出せなくて。うわ、綺麗ですねとか言うてるから。向こうも、うわ、ってなってるけど「一回だけ混ぜてください」野菜と肉の位置入れ替わっただけなんです。

それで「すいません、できたらもう一回急いで作り直させてください。でももうカメラで撮ってるからインサートだけ撮り直します」って。出てきたお肉が、真っ黒けで。むちゃくちゃ割り下に漬かったやつが出てきて。せっかくやし、食べたら100倍うまかったです。

①導入
今回の導入は本編にはあまり関係ない。山形にロケに行った前提を短くまとめている。コロナ禍だったことで、久しぶりの地方ロケに行けた嬉しさを導入に。トークに事実だけを入れ込むだけではなく、会話のまねをして「嬉しい」という感情が盛り込まれると、その人のトークになり聴衆が前のめりになりやすい。

山形がすごくいいところだ、とフリをきかせたかったのかもしれない。確かに本編でいい旅館の高級な米沢牛を際立たせた方がオチがおもしろくなることを考えると、ロケの描写は短く入れるのは効果的かも。

<学び>
トーク全体を見て、オチを際立たせるためのジャブを導入に入れる。

<法則>
・導入を長くしすぎない。
・本編に関係なくても、感情を入れ込むと「その人のトーク」になる

②中身

・自分の顔がうつるくらいのお肉
川島さんの例えが炸裂。ここを恥ずかしそうに言うと冷めてしまう。この時まわりも、嘘だぁみたいな反応していたが、川島さんの熱量で言い切ることで感動したということが伝わる。多少オーバーな表現でまわりが鼻で笑ったとしても、自分が感動を伝えたいと思ったら本気の熱量で伝えきることが大事なんだなと感じた。

・ほんとすっごい透明で
前に「僕は京都の人間なんで〜割り下でぐつぐつやってるのかと思ったら」と言うことで、実際出てきた鍋の色との対比が想像しやすい。個人的に、「僕は京都の人間なんで〜」という部分が好き。細かいところなのだが、話の最初に入れずここで入れこむチョイスがgood。この情報が遠いとテンポが悪い。近いからこそ、川島さんの常識と実際の鍋が違ったという戸惑いと感動をありありとさせる効果的な補足になっている。

・下のお野菜を一回くるっとまわして
この情報はあとあとの笑いのために重要。後半に笑いをたくさん打ち込むためには細かくフっておく必要がある。さらに、細かいながらに際立たせておかないと、せっかく笑うポイントなのに後半の笑いを自ら壊してしまうことになるので、はっきりゆっくり描写する必要があるなと感じた。流石に川島さんはそこらへんが上手だなと思った。

・ほんとに肉の味だけ
ここで純粋に感動した!とはっきり言うことで、雰囲気に流されてた自分の滑稽さがトーク全体のおもしろみに変わる。ここは丁寧に、会話を盛り込んでみんなでおいしさを分かち合った描写を入れて共犯にしているのが後半で余計におもしろくなってくる。

・最高やな〜出汁入れてなかったです。
話の転換点。見え方が変わる点。最高やな、とみんな絶頂にいる状態から急に落とされるギャップがおもしろい。びっくりして口が塞がらない川島さんが目に浮かぶ。襲ってくる恥ずかしさもおもしろい。

・全部?
なんで料理長全部入れなかったん?(笑)全部っていうのがもはやコントみたいでおもしろい。全部?をもう一回繰り返して笑いが増強する。これは、川島さんの言い方と驚きが言葉にのっているからおもしろい。

・なにもいいだせなかった。
料理長の視点も入れ込んでいる。いろんな人の視点から話すと、話の解像度が上がるので立体感が出る。さらに料理長が、川島さんを目前に緊張していつも通り料理できなかった可愛げもあらわされていてほっこりしたエピソードになるのが個人的にすごく好き。

・うわ綺麗ですね
料理長が焦っているのも知らずに、キラキラした目で川島さんが肉をもちあげている描写がとても滑稽で可愛らしい。

・一回だけ混ぜてくださいで、ただ野菜と肉が入れ替わっただけ
前半でフっていたのがここで生きる。入れ替わっただけなのがほんとにおもしろい。

・真っ黒け
この表現がクリティカル。真っ黒でも真っ茶色でもなく、真っ黒けと言うチョイスに川島さんらしさを感じる。さっきと真反対の色の肉きたー!って感じがする。

・100倍美味かった
じゃあさっきのなんだったん?というなんとも言えない感情が伝わってくる。

<法則>
・オーバーな表現だとしても、自分の感動を伝えたいなと思って選んだ言葉なら熱量をもって言い切る方が、真剣さが伝わる。茶化さない。
・後半のスピード感とテンポ感がでる展開にするには、中間でこまかく丁寧にフっておくことがトータルの面白さにつながる。
・純粋に感動した描写を言葉とか会話で表現しておくと、オチの滑稽さが目立っておもしろくなる。

描いたヤツ
ガッチ

ガッチです!美容皮膚科医と芸人やってます!
たのしいこといっぱい発信していきますよ☆
人生ワクワクしていきまっしょい↑↑

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