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蒲田の某ファミレスに入った。

雑居ビルの2階に店舗を構えるその店は、蒲田のレトロな街なみに哀愁の影を落としていた。

勢いよく店のドアを押し開けた。

すると、60代の腰曲がったおばさん店員がニコニコしながら対応してくれた。

年齢と姿勢からは考えられないくらい機敏な身のこなしだった。

ファミレスでは広い席に座りたい派だ。なぜなら、PCやノートやドリンクバーをコップをたくさん広げられるからだ。

しかし、その日は少し混んでいた。もしかしたら1人がけ、よくて2人がけかもなと思ってた。

まあ、夕方くらいは学生や主婦が増えるししょうがないかな、と半ば諦めていたとき、

そのおばさん店員は、さっき開いた4人がけの席をさっと拭いて通してくれた。

心読まれたのか!?と思うくらいこちらの意図を汲んでくれたので、思わず惚れてしまいそうになった。

その後もすごく快適にファミレスの時間を過ごすことができた。

自分の作業をしながらたまに見える店員さんの働く姿を見ていると、すごく活き活きと仕事していた。

お客さんがどうしたら気持ちよく過ごせるか、程よくコミュニケーションをとり入れ込みすぎず、でもしっかりコミュニケーションをとっていた。

以前、本で読んだことがある。ディズニーランドのトイレ清掃員の話だ。

そのトイレ清掃員は、毎日トイレに話しかけながら清掃しているという。どうしてそんなことをするのか聞いたら、自分の仕事は天職だと思っているからだ、と答えたという。

自分の仕事や与えられた環境にケチをつけず、天職だと思うことで一生懸命にしかも楽しんで能動的に仕事ができるのだと。

この店員は、すごく楽しんで仕事をしているように見えた。

楽しむ、ことに集中することで、自分を成長させる方向にベクトルを向けることができるんだな。

見習いたい人がまた一人増えた。

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